「暮しの手帖」19号 「子育ての悩み相談室」

「暮しの手帖」内の連載「子育ての悩み相談室」の取材と文を、引き続き担当させていただいています。

今回は、登校しぶりについての悩みを鳥羽和久先生にお聞きしました。

もし、朝の慌ただしい時間に子どもから「お腹痛いみたい」「ちょっと頭が…」なんて言われたら、どうしていますか?

見るからにつらそうとか、熱がある、とかならまだしも、そこまでの様子ではない。わたしはたいてい、「学校行けないくらい? とりあえず頑張ってみて、つらかったら昼に早退したら?」などと返していました。うちは基本的に学校が大好き!というタイプの子で、そういった機会は滅多にないからというのもありますが、基本は「休まない」前提の返事です。どこかに「とりあえず行ってみたら、気分も変わって意外と大丈夫」という気持ちもあったのだと思います。

でも、子どもの本音をきちんとすくいとってやれていたのかと言われると、反省だらけです。取材後は「じゃあ、今日はゆっくりする?」と言えるようになりました。登校しぶりに悩んでいない人にとっても、大きな視点で子育てのお守りになるような考えをいただきました。

鳥羽先生の著書「親子の手帖 増補版」「おやときどきこども」は、どちらもわたしにとってはバイブルのような本です。小学校に入り、そこからだんだんと思春期に差し掛かっていく時期は、受験や勉強法のようなハウツー本はあっても、親子の関係性や情緒に根ざした本は、あまり見つかりません。

子育てに正解も手本もないのかもしれませんが、自分以外の誰かの声を聞き、拾い上げて考えたり試したりすることが、自分の歩く道を耕し、豊かにしていくのだと思います。これはきっと、子育てに限ったことではないですね。

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