書籍が出ました『レシート探訪 1枚にみる小さな生活史』

『北欧、暮らしの道具店』で連載していた読み物「レシート、拝見」が書籍となりました。『レシート探訪 1枚にみる生活史』とタイトルも新たに、技術評論社より発売中です(おかげさまで発売3週間で重版になりました!)

タイトルは、表紙の入稿直前まで案を出し合いながら、最終的に編集さんがつけてくれました。「1枚にみる生活史」というサブタイトルも含め、とても気に入っています。

デザインは岩渕恵子さん。レシートを模した表紙は活版印刷です。帯と中表紙のアクセントにあしらったネオンピンクが、かわいさとノスタルジックなアナログ感とが行き来するいい味わいになっていると思いませんか。帯の文字色もそうですが、レシートの紙がなくなりかけてきたときの紫っぽいピンク色、あの感じを出してくださったそうで、同時に、エッセイに書いた内容ともリンクしているのです。読んでくださった方から「あのピンク!」と言っていただくことも多く、ちょっと楽しいしかけになりました。

書籍には新規取材を2名と、エッセイ5編も書き下ろしています。人に聞いた話を掘り下げながら書くのと、自分自身のことを書くのとでは、また違った思考回路を使う感じがして、それもおもしろい体験でした。

日常のささやかなことが積み重なって、暮らしや人生が生まれるのだと日々実感しています。スペシャルでドラマティックな体験、大きな目標や立派な成果だけじゃない、もっと遠くに、もっとたくさん、もっと、もっとと手を伸ばすことも自分を大きくしてくれますが、それだけでもないはずです。

わたし自身が、自分の人生にしあわせを見つけたい、ここではないどこかではなく、いまいるこの場所に光るものがあると気づきたい、そんな気持ちで書きました。

発売から2ヶ月が経ちましたが、書店で見かけるたびに「おお、ほんとうに並んでいる・・・!」といまだに自分ではない誰かのものを見ているような不思議な気持ちです。書店では、暮らし、もしくは文芸・エッセイのコーナーにありますので、見かけましたらぜひお手に取ってみていただけましたらうれしいです。

「レシート探訪 1枚にみる生活史」
1600円+税/256ページ
技術評論社刊/2023年6月23日発売
写真/長田朋子、吉森慎之助
デザイン/岩渕恵子(iwabuchidesign)
編集/秋山絵美(技術評論社)

▼以下、ご紹介いただいた媒体です。

「朝日新聞」(7月2日付)1面下段広告(サンヤツ)
「日経ビジネス」(7月24日号) 「今週の1冊」武田砂鉄さんによる書評
「京都新聞」(8月3日付)書評欄

by
関連記事