tocotoco vol.48

『tocotoco』vol.48で、食と絵本にまつわるお話をミュージシャンの坂本美雨さんに、そのほかさまざまなジャンルのお母さんたちには、絵本にまつわる食のエピソードをうかがいました。

絵本の奥にある記憶や思い出をお聞きする企画はずっとやってみたかったものです。

幼稚園のときに読んだ、『おひめさまとアイスクリーム』という絵本が、ずっと心に残っています。病気になったお姫様が、「あのオガンガ山の頂にある雪に、ミルクとはちみつをかけて食べたらどんなにおいしいことでしょう」と言うのです。

「どんなにおいしいことでしょう」、そのつぶやきは、わたしのつぶやきでもありました。

あるとき母が、かき氷の用意をしながら「ミルクとはちみつかけてみようか?」と言ったときのわくわく感を、今でもはっきりと覚えています。その後、わが家のかき氷の定番はいつもミルクとはちみつで、「オガンガアイス」と呼んでいました。

子どもに、テーマパークや遠くへの旅行、珍しくておいしい食べ物、ブランドの洋服。いろいろな「とっておき」を味わってほしくて、親はついつい頑張りすぎてしまうけれど、大人になった今、くっきりと色濃く残る思い出というのは、日常のほんの些細なことだったりするのかもしれないなぁと思います。

 

さて、『tocotoco』は、今号が最終の発刊となるそうです。
今後は、webやイベントを通じての情報発信・共有の場となります。
思えば、わたしの子育ての歩みはtocotocoがいつもそばにありました。娘が1歳くらいのときに取材でお声がけいただいたことがきっかけで、その後、お仕事をいただくことになりました。

そのときの取材の事前アンケートで、使っているベビーカーを「ストッケ(海外のおしゃれブランド)」と間違って書いてしまい、撮影時に「えっこれスティックやないか……(アップリカの超定番ベビーカー)」と微妙な空気が流れたのも忘れられません。いやスティックを買うのもすごい比較と吟味したし、使い勝手もフォルムも気に入っているのですけれども!

紙媒体がなくなっていくのはさみしいですが、自分自身、ちょっと一息つくときにまず開くのは雑誌よりもスマホなんですよね。webだからこそできることが、きっとたくさんあるんだろうなと、最近はむしろ、それが広がりに感じ始めています。

 

あれやこれやと長くなってしまいましたが、『tocotoco』、ぜひ手にとっていただけましたら嬉しいです!

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