あたらしい春

娘が保育園を無事卒園した。

今の園には4年間お世話になり、その前には認可の小規模保育園で1年。この5年がすごく長かったような、あっという間のような不思議な気持ちで、今ここにいる。

式では、名前を呼ばれて大きな声で返事をしたあと、証書を受け取り、一番の思い出を発表する。「おわかれ遠足で、みんなで食べたお弁当がおいしかったです」なんて言ってくれるもんだから、すでに崩壊していた涙腺が、もはやダム決壊……。

親たちは、仲良くなったのに小学校は散り散りになるからさみしいさみしいと嘆いているけれど、子どもは一切「さみしい」なんて思っていない様子。
むしろ、これからの小学校生活が楽しみでたまらないみたい。当たり前だけど、その振り返らない潔さ、未来しか見えないその姿が、親からはまぶしくて仕方ない。

もう、毎朝、私の自転車の後ろに乗ることはない。

自分の足で歩いて、学校へ行く娘。さみしいとか、名残惜しいなんて言うのは終わりにして、明るく笑顔で「いってらっしゃい」と言える母でありたい。隣をべったりと歩いたり、心配そうに後ろをついていくのではなく、漕ぎ出す娘の行先を照らす灯台でありたいと思う、あたらしい春の始まりです。

保育園では「卒園証書」ではなく「保育証書」と言うんですね。式ではおいおい泣いたけど、この園にはまだ5年通うんですよね……。まだまだ先は長い。

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