あんずジャムの季節

20180706

あんずの季節が、今年もやってきた。

あまりマメではない私だけど、ジャム作りは比較的好きで、気がむくとちょこちょこ作っては、瓶の中に閉じ込めた季節を見つめてニヤニヤしている。
果物の旬というのは、あぁ並びだしたなと思いながらと横目でちらっと見つつも「あとで」なんてのんびりしていたら、あっという間に過ぎていってしまう。

もちろん、走りの時期には「もう少し待った方が甘いはず」「今はまだ高すぎる」などと、せめぎ合いがあったりもするのだけれど、味と値段のバランスを見ながら「今だ」と思った時を逃してはならない。

あんずも、そのひとつだ。

店頭に並ぶのは、梅雨の終わり頃だろうか。あまり長くはないから、見つけたら急いで買う。
(私は生活クラブのカタログに見つけたときが、あんずシーズンの始まり)

あんずは皮むきが不要だし、種と実とがぽろっとすぐに外れるから、面倒な下処理なく、すぐにジャム作りを始められるのもいい。

あんずほど、生で食べたときと、火を通したときとで、こんなにも印象が変わる果物も少ないと思う。生で食べるあんずは、うすぼんやりとした甘さで、みずみずしさもさほどなく、なんとなくとらえどころのない味をしている。

でも、少しの砂糖と一緒に煮込むだけで、こんなにも水分をたたえていたのかと驚くほど果汁が溢れ出すし、桃のような甘さに、梅のような爽やかな酸味が入り混じって、生よりも果物らしさを感じる味になる。

少し白を溶いたような淡いオレンジ色は、煮込むとパッと鮮やかな色になる。そうそう、これこそが「あんず色」だ、と思う瞬間だ。

あんずジャムは、トーストにもヨーグルトにも合う。クリームチーズと一緒にクラッカーに添えるのもいい。あんこと合わせるのも好きで、和にも対応するなんて、なんて懐の深い食べ物だ……と思うけれど、よくよく考えたらあんずは、あんみつの上にも光っているし、崎陽軒のシウマイ弁当のデザート(と私は思っているけど、箸休め?)も、あんずなのだから、そのポテンシャルの高さは、言わずもがな。

 

つい先日、去年作ったあんずジャムの最後のひと瓶を食べ終わったところだった。

今年も、一年分のジャムをせっせとこしらえる。
第一弾は、少し煮詰めるのが足りずにゆるい仕上がりだったから、ヨーグルトに合うかもしれない、と考えている。


余談ですが、
私のあんずジャムは、果実の重量に対して4割のお砂糖で作っています。スッキリさせたいときはグラニュー糖、きび砂糖のときは4割より少し減らし気味に加えます。そこにレモン汁も少々。あんずの甘さによって仕上がりが変わるので、レモン汁で調整しますが、そのつど味が変わるのも、ホームメイドの良さかなと思うので、あまり厳密に決めていません。

ゴールデンキウイとのミックスも少しだけ今回作ってみたら、それもなかなか美味しかったです。シンプルにあんずのみが一番だと思っていたけれど、来年はミックスもいろいろチャレンジしてみたいなぁ。

 

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